Home / ファンタジー / レティアの虹色の冒険 / 9話 思わぬお誘いに戸惑いの反応

Share

9話 思わぬお誘いに戸惑いの反応

Author: みみっく
last update Last Updated: 2025-06-24 12:00:29

 ——ルーシーの忠告とレティアの誘い

 ルーシーは顔色を変えながら、さらに言葉を続けた。

「あのノクスたち、ただのオオカミじゃないのよ。漆黒の毛並みと紫の模様は、瘴気を纏っている証拠。銀色の瞳は、相手の動きを見透かすような鋭さを持ってるし、あの爪と牙は岩を砕くほどの威力があるの。群れで襲いかかれば、普通の冒険者なんてひとたまりもないわ。あれが可愛いなんて、正気の沙汰じゃないわよ!」

 ルーシーの声には、ノクスたちの恐ろしさを伝えようとする必死さが込められていた。しかし、レティアはその説明を聞いてもなお、にこにこと笑顔を浮かべていた。

「でもね、ルーシー。オオカミさんたち、わたしにはすっごく優しいんだよぅ♪」

 レティアの無邪気な言葉に、ルーシーは呆れたようにため息をつきながら、再びノクスたちをちらりと見た。その視線には、まだ警戒心が残っているものの、どこか諦めのような気配も漂っていた。

「あーそうなのね……。わたしは今日のノルマを達成させるから……えっと……レティーはどうするのかしら? 家に帰るの?」

 ルーシーはちらちらとレティアを気にするように見ながら尋ねた。その仕草には少しの戸惑いと遠慮が感じられた。

「あ、そーだぁ! うちに遊びに来る? ちょっと狭くて……オンボロな家だけど……よかったら♪」

 レティアは甘えるような笑顔でルーシーを見つめながら、思いつくままに提案した。

「え!? それって……わたしを……家に誘っているの?」

 ルーシーは驚きの表情を浮かべ、思わず目を見開いて聞き返した。その反応が、レティアにとっては少し不思議だった。

『えっと……家に誘ってる以外にどう聞こえるのかなぁ?』

 レティアは小首をかしげながらも、再び軽い調子で続けた。「嫌だったら、べつにいいんだけど。それだったらぁ……明日も待ち合わせしてあそぼー?」

 家に来るのが抵抗あるならと、彼女なりに譲歩して提案を言い換えた。

「ちょ、行かないなんて言ってないし! どうしてもって言うなら……行ってもいいわよ……! 勝手に話を進めないでよねっ!」

 ルーシーは顔を赤らめながらも、慌てた様子で声を荒げた。しかし、その目はどこか期待しているようで、心の中ではレティアの提案に少し嬉しさを感じているのが伺えた。

 レティアはそんなルーシーの反応に気づくこともなく、ただ満面の笑みを浮かべながら言った。「わーい! ルーシーが来てくれるんだね! 楽しみぃ~♪」

 その無邪気な笑顔に、ルーシーは恥ずかしさを隠すように再びそっぽを向いたが、心の中ではほんの少し、暖かい気持ちが芽生えていた。

 ——レティア、新たな獲物へ

 ルーシーは、慌ただしく立ち上がると、「狩りのノルマを達成させなきゃ!」と短く言い残して足早に去っていった。彼女の後ろ姿が見えなくなると、レティアはその方向を見つめながら小さく呟く。

「わたしたちも狩りをしないとね。えっと……なんて言ってたっけ? ノクスだっけぇ?」

 彼女は振り返ると、待機状態でじっと座っていたノクスたちに笑顔で声をかけた。「狩りにいこうかぁー♪」その声に、ノクスたちは緩やかに反応し、立ち上がってレティアの後ろへついていった。

 さらに、虹色の能力で作り出した動物たちにも声をかける。「あなた達もいっしょにいくよー♪」

 虹色の輝きを放つ小動物たちはレティアの言葉を受け、静かに彼女の周囲に集まった。

「んーっと……あっちに何かいるね。」

 レティアはふっと顔を向けて気配を感じた方向を指し示した。その先へ向かって進んでいくと、視界に飛び込んできたのは、途方もなく巨大なイノシシの魔物だった。

 ——巨大イノシシ、その威容

 その姿を目の当たりにして、ノクスたちが一瞬動きを止め、怯んだような仕草を見せた。その反応にレティアは首を傾げながら、目の前の魔物をじっくりと見つめる。

 その体格は、普通のイノシシとは比べものにならないほど巨大で、まるで岩のように硬そうな筋肉質の体躯をしていた。体毛は荒々しく逆立ち、暗い闇に溶け込む漆黒の毛並みには赤黒い模様が不規則に走っている。特に目を引くのは、その牙だった。

 イノシシの牙は、鋭く光る刃のようで、まるで何度も命を奪ってきたかのような冷たさを纏っていた。その表面は紫色に染まった液体が滴り落ち、毒のような瘴気を周囲に漂わせている。牙が光を反射するたびに、まるで命を狙う刃が振りかざされるような錯覚を覚えさせた。

 赤い瞳は獰猛で、まるで相手の心を射抜くかのような鋭さを持っていた。それは単なる動物の目ではなく、敵を狙う捕食者そのものの目だった。地面を踏み鳴らす度に、巨体の重みで大地が震え、周囲の木々がかすかに揺れる。その音だけで、見る者の心を恐怖で掴んでしまうほどだった。

 突然、そのイノシシの魔物は牙を振り上げ、「プシュー!」という激しい音とともに紫色の息を吹き出した。その異様な息が周囲に充満し、甘ったるいような、しかし危険を感じさせる不快な匂いが立ち込めた。息が触れた木々はすぐに枯れ始め、枯葉が落ちる音が静寂を一層際立たせた。

 威嚇するように地面を掘る前足が、鋭い爪で深い溝を刻んでいく。筋肉の動きが一つ一つ鮮明に見えるほど力強く、その迫力にノクスたちですら一瞬怯む仕草を見せた。

 レティアはその姿を見上げながらも、驚きよりも興奮と好奇心が勝った様子で、「おおきいねぇ……すごい迫力ぅ!」と呟いた。一方で、彼女の背後に控えるノクスたちが緊張感を持って低く唸り声をあげ、彼女を守るように動き出そうとしていた。

Continue to read this book for free
Scan code to download App

Latest chapter

  • レティアの虹色の冒険   60話 ルーシー、ジェレミー、フィオの連携討伐

    ♢ルーシー、ジェレミー、フィオの連携討伐 森の奥深く、ルーシー、ジェレミー、そしてフィオの3人は順調に討伐を進めていた。魔物の群れが周囲に潜む中、剣士二人が前線で連携を取り合い、後方のフィオが魔術で支援をすることで見事なチームプレイを展開している。初めての連携にもかかわらず、その動きは手慣れているようで、見ている者には何度も共に戦ってきた仲間のように映った。 ルーシーは素早い身のこなしで魔物の攻撃をかわし、隙を見つけて剣を振り抜く。その剣は一閃で魔物の弱点を捉え、鮮やかに斬り裂いた。彼女はその動きの間もジェレミーの動きを観察し、互いにカバーし合う形で攻撃の隙を補っていた。 ジェレミーはしっかりと剣を構え、魔物の攻撃を受け止めるたびに力強く押し返す。その一撃一撃は訓練を重ねた結果であり、剣の軌跡は鮮やかで正確だ。魔物に囲まれた場面でも冷静に足場を確保し、ルーシーが動けるスペースを作り出していた。 後方のフィオは、魔物の動きを見極めながら身体強化の魔法を唱える。ルーシーとジェレミーの剣が力強く鋭さを増すのは彼女の支援があってこそだった。さらに、彼女は魔物の足元に氷の魔法を放ち、足止めをすることで剣士たちが安全に攻撃を仕掛けられる状況を作り出していた。「ジェレミー! 次、右側の魔物を頼むわ!」 ルーシーが剣を振り抜きながら声を掛ける。「了解です。私が押さえますので、その間に仕留めてください!」 ジェレミーはすぐに魔物の前に立ちはだかり、剣を構えた。 フィオはその様子を見ながら笑顔で声を掛ける。「ふたりとも、強化魔法をかけるよ! これで攻撃がもっと効くはず!」 ルーシーが笑いながら応じた。「頼りにしてるわよ、フィオ!」 ジェレミーも魔物を押さえ込みながら笑顔を浮かべて応じる。「感謝します、フィオさん。これで勝てますね!」♢遠吠えとレティアへの信頼 森の空気が静けさを取り戻し始めたその矢先、遠くの方から響き渡る魔物の雄叫びが聞こえた。それはまるで戦いが始まる合図のようであり、一行の注意を引き付けた。その音を

  • レティアの虹色の冒険   59話 レティアのつまみ食い

     フィオもその言葉に続けて、レティアの提案に乗るように明るく答えた。「うん。それでいいよ。久しぶりの魔法を頑張っちゃおーっと! フルーツタルトのためね♪」 その無邪気な言葉に、フィオがだんだんとレティアに似てきている様子が伺えた。 ジェレミーは控えめに言葉を紡ぎながらも、目にはすでにやる気が燃え上がっているのが見えた。「それは助かりますね。復帰後の第一戦目ですし……ご迷惑をお掛けするかもしれませんが、よろしくお願いします。」♢討伐開始とルーシー、フィオの目標「さっ。始めるよぅ〜♪」 その声と同時にレティアの姿がスッと消えたかと思うと、『ドサッ!……ドサッ!』という重量のあるものが地面に倒れる音が森全体に響き渡る。音の正体は討伐された魔物だった。 一方、その勢いに触発されたルーシーも剣を構えながら、二人に声をかけた。「……れ、レティーに負けてられないわね。行くわよ!」 彼女の顔には闘志が宿り、その言葉には仲間たちを奮い立たせようとする力が感じられた。 そんなルーシーの姿を見て、フィオは少し微笑みながら問いかけた。「ルーシーは、何か食べたいものあるの?」 ルーシーはふと考え込み、少し照れたような笑顔を浮かべて答えた。「ぱ、パフェとか食べてみたいかなぁ……ケーキも食べてみたいし……まっ、無理しない程度に頑張ろ。」 彼女もまた、完全にレティアのペースに乗せられている様子だった。♢レティアの進化する討伐スタイル その頃、レティアは体を動かすために虹色の能力でラクに魔物を倒すのではなく、自分で虹色の能力を活かして剣を作り出して戦いに挑んでいた。「るんっ♪ るーんっ♪ みーつけたぁ♪ えいっ♪ とぉーうっ!」 彼女の軽快な声が響く中、手元に輝く虹色の剣が魔物を次々と切り裂いていく。剣が振られるたびに空中に鮮やかな光

  • レティアの虹色の冒険   58話 ノクスの甘えと討伐競争の提案

     フィオが恐る恐る呟く。その視線はノクスの銀色に輝く瞳と鋭利な牙に向けられていた。彼女の背筋には冷たい汗が流れている。 一方のジェレミーも微笑みを浮かべる余裕などなく、強張った表情で呟いた。彼の声は震え、その驚きを隠しきれない。「信じられません……このような存在が懐いているとは……。」 ルーシーは怯えるフィオとジェレミーに目をやり、軽く肩をすくめながら苦笑いを浮かべた。「慣れればかわいいと思えるかもよ。ほら、レティーはあんなに余裕で接してるでしょ? まあ……わたしにはムリだけどね。あはは……。」 その軽妙な言葉が少し場の空気を和らげるように響いたが、ノクスとシャドウパピーズの圧倒的な存在感は、まだフィオとジェレミーの背筋を硬直させたままだった。だが、その緊張の中でもレティアは天真爛漫な笑顔を浮かべ、ノクスの巨大な頭を何のためらいもなく撫でていた。 怯えるフィオとジェレミーを横目に、ルーシーは再び苦笑いしながら呟いた。「ほんと、レティーって……すごい子よね。」♢受け入れの兆しと獲物への不満 こうして少しずつ場が落ち着き始める中、レティアの柔らかい態度が仲間たちの緊張を解きほぐしていくように見えた。森の木々の間を吹き抜ける風が、彼らの頬を優しく撫でる。 ジェレミーはノクスとシャドウパピーズの圧倒的な威圧感に圧倒されながらも、なんとか気持ちを奮い立たせるように自分自身に言い聞かせるような声で呟いた。彼の声はまだかすかに震えているが、その中には前向きな姿勢が感じられる。「ま、まあ……仲間ということであれば……心強いですかね。」 その言葉には怯えが滲んでいたものの、彼自身の中で必死にポジティブな面を探そうとしている様子が感じられる。彼の表情には、葛藤と、そしてわずかな希望が浮かんでいた。 続けて、フィオもジェレミーの言葉に共感するかのように頷きながら震える声で答

  • レティアの虹色の冒険   57話 ノクスとシャドウパピーズ、影からの出現

     その間もレティアはニコニコと笑顔を浮かべ、まるで自分の力をひけらかすこともなく当たり前のように話していた。だが、その使役獣たちがすでに討伐を進めているという状況に、フィオは少し唖然とした様子でため息を漏らした。「もう……ほんとレティーちゃんって……いろんな意味で手に負えないわね♪」「さすが、全職業の適性をもっているレティア様らしいですね。」 嬉しそうに呟くジェレミー。彼の声には、レティアへの尊敬がにじみ出ていた。♢ノクスとシャドウパピーズ、影からの出現「そっかぁ。ジェレミーに紹介してないよね。ノクス、シャドウパピーズきてー。」 レティアが親しげな声で語りかけたその瞬間、彼女の影が揺れ動き始めた。影が膨らみ、そこから次々と飛び出してくる巨大な狼型の魔物と狼の最強種の群れ。その異様な光景に周囲の空気が一変した。森の鳥たちのさえずりが止み、静寂が訪れる。 最初に姿を現したのは、漆黒の毛並みに紫の模様を纏ったノクス。その巨大な体は地面に影を落とし、一帯に圧倒的な威圧感をもたらした。その毛並みは夜闇に溶け込むかのように深く、紫の模様が妖しく輝いている。銀色に輝く瞳が一行を鋭く射抜き、どんな隠れた敵も見逃さないという冷酷な輝きを宿していた。 剣のように鋭い牙が、わずかに覗き、その口元から漏れる低い唸り声は森全体に響き渡る。足元からは瘴気が揺らめきながら漂い、その触れた枝葉は瞬く間に枯れ果て、まるで生命そのものを奪われたかのようだった。枯れた葉が、カサカサと音を立てて地面に落ちる。 続いて現れたのは――ノクスが従えるシャドウパピーズの群れ。狼種の中でも最強とされるその存在は、ただ佇むだけで周囲に圧倒的な恐怖を植え付ける。彼らの存在が、森の空気を重くする。 金色の瞳が暗闇の中で鋭い光を放ち、獲物を捉える目つきには、容赦なき狩人の執念が宿る。漆黒の毛並みに包まれたその巨大な体は、大型犬すらはるかに凌駕し、一群となって動くたびに周囲の空気を震わせた。地面が、彼らの足音で微かに揺れる。 牙と爪の鋭さは、見る者に本能的な恐怖を刻み込む。唸り声

  • レティアの虹色の冒険   56話 リーダーの困惑と森への出発

     翌日、彼の同行によって、レティアを中心とした討伐計画は、ギルド全体の合意を得て進む方向へと向かっていた。ジェレミーの献身的な姿勢と能力の回復が、ギルド内での信頼をさらに高めたことは言うまでもなかった。 一方、レティア自身はジェレミーの情熱を「一緒に楽しむ仲間」として受け止め、無邪気な笑顔を浮かべていた。彼女の心の中には、ただ純粋な冒険への期待だけがあった。♢リーダーの困惑と森への出発 翌朝、ルーシーは報告を受け、眉をひそめながら困惑した様子で声を上げた。彼女の顔には、寝不足と不満が入り混じっていた。「……え? なに? わたしが休んでる間に……もお、まあ……べつに良いけどさ、リーダー……わたしよ?」 その問いかけに対して、レティアはニコニコと笑いながら軽い調子で答えた。その笑顔は、何の悪気も感じさせない。「だってだってぇ……お菓子美味しいんだもんっ♪」 まさかの返答に、ルーシーは力を抜けたようにため息をつき、なんとか気持ちを切り替えるように呟いた。彼女の肩が、わずかに落ちる。「あ……あぁ……うん。そうだね。そこなんだね。はぁ……。じゃあ……森に行って魔物を討伐して、ジェレミーさんの意見も聞いてみようかな。それと、お菓子……わたしも食べたかったなぁ……。」 その言葉にレティアは嬉しそうに目を輝かせたが、ルーシーの視線には鋭い真剣さが宿っていた。彼女の瞳は、これからの任務を見据えている。 のびのびとなっていた森に、強い魔物が増えてきているという件。毎回、レティアが問題を起こし、報告も情報収集も出来ていなかった。ギルドの懸念が、ルーシーの表情に表れていた。 ジェレミーと合流し、いよいよ森へ向けて出発する一行。だがその空気は、魔物討伐の緊張感よりもどこか緩やかで賑やかなものだった。

  • レティアの虹色の冒険   55話 体型への懸念と新たな討伐計画

     その説明を聞いたレティアは目を丸くし、ついに実感が湧いたような表情を浮かべた。彼女の瞳は驚きで大きく見開かれている。「え? なにそれ……わたし、お金持ちじゃーん。」 彼女は嬉しそうに笑いながらさらに続けた。その笑顔は、純粋な喜びに満ちている。「その数、わかんないけど……いっぱいだよね、すごくいっぱいな気がするぅ!」 フィオはその言葉に合わせるように微笑みながら、分かりやすい例を挙げた。彼女の声は優しく、レティアが理解しやすいように工夫されていた。「あ、レティーちゃんには、その例え分かりやすいかもね。お菓子何個分換算! 大体、銀貨1枚くらいだもんね。それに紅茶付きだし……雰囲気も豪華で貸切状態って最高だよね。」 レティアはその説明にさらに興奮しながら笑い、心配していた気持ちがすっかり晴れている様子だった。甘いデザートと楽しい仲間たちが、彼女の心をさらに軽やかにしていた。彼女の周りには、幸せな空気が漂っている。 ♢体型への懸念と新たな討伐計画 レティアが楽しそうな表情を浮かべながら呟いた。彼女の視線は、目の前のデザートから離れない。「わたし、毎日通っちゃうかも……」 その言葉を聞いたフィオは残念そうな顔をして、レティアの体をちらりと見つめながら言葉を返した。彼女の目には、少しの心配がにじんでいる。「それ、太っちゃうよ……可愛い体型がぁ……。」 レティアは驚いた顔をしてフィオを見つめる。彼女の眉は上がり、純粋な驚きが表情に現れていた。「え? そうなのぉ?」 フィオはキッパリと断言する。その声には、一切の迷いがない。「そりゃ……甘いものを食べて動かなきゃ太るね。」 ジェレミーも微笑みながら優しく言葉を添えた。彼の表情は穏やかで、フィオの意見を裏付けているようだった。「はい。太りますね……。ですから私も、訓練後のご褒美として食べると言ったのですよ。」 その言葉を聞いたレティアは、突然思いついたように笑顔で声を上げた。彼女の瞳は、新しいアイデアに輝いている。「運

More Chapters
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status